採用担当者が知るべき職務経歴書の見方
職務経歴書は求職者が経験してきた職歴や職務、その具体的な内容を記載した書面です。職務経歴書の確認は採用活動の基本であり、優秀な人材を見出し、自社とマッチしない人材をふるいにかける大切な業務です。どの部分に注目し、評価すべきかを解説します。
目次
職務経歴書とは
職務経歴書とは、求職者が経験してきた職歴や職務、その具体的な内容を記載した書面のことで、履歴書とあわせて使用(提出)されます。
求職者が培ってきた経験やスキルは自己PRと同義であり、採用担当者は書面から求める人物像にマッチしているかを読み取らねばなりません。
時系列順やキャリア別、プロジェクト別などにまとめられることが多く、履歴書のようにレイアウトの定型はありません。そのため、職種によってはレイアウトの見やすさや美しさ自体がアピールとなります。
書類選考時の重要な審査材料であることは当然ながら、後の面接選考時の材料にもなり、しっかりと求職者の特徴や資質を読み取る必要があります。
ちなみに、外資系の企業などでは職務経歴書をレジュメと呼ぶことがあります。ビジネスの場でも会議等の資料をレジュメと呼びますし、大学における論文の要約資料もレジュメと呼ばれます。混同しないよう注意しましょう。
他社の採用担当者は職務経歴書のどの部分に注目しているか
求人情報・転職サイトのdodaが行った調査によれば、採用担当者が職務経歴書で最も重視しているのは「経験」、次に注目しているのが「スキル」です。自社の業務とのマッチ度や、即戦力となるかを見極めようとする傾向が見て取れます。
参考:https://doda.jp/guide/saiyo/007.html
また、リクナビNEXTでも同様の調査が実施されており、こちらでは「仕事内容」「仕事への取り組み姿勢」が半数以上の回答を集めています。「仕事内容」は経験やスキルに類する回答といえるでしょう。「仕事への取り組み姿勢」からは、人柄などの人物面を注視している傾向が見て取れます。
参考:https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/5135/
職務経歴書を確認する際のポイント
ここからさらに踏み込んで、職務経歴書の細かい見方のポイントを解説していきます。「経験」や「スキル」を読み取ることは難しくありません。細部に表れる求職者の心遣いや、ミスが表れやすい注意点をくみ取れるようになれば、より良い人材の採用を実現できるでしょう。
誤字脱字や日付の確認
文章中の誤字脱字や「てにをは」、語意の間違いなどは、応募者の基礎的な能力を評価するのに欠かせない項目です。
また、転職活動を続けている求職者にありがちなミスとして、日付や宛名を更新せずに提出していることがあります。
応募書類という大事な書類で初歩的なミスが散見されるようでは、実務でも同様の失敗を起こす可能性が高いといえます。とはいえ、一つくらいの誤字脱字で大きなマイナス点をつける必要はありません。
読み手を気遣うレイアウトになっているか
デザイナーなどの専門職ではなくても、レイアウトは評価すべき項目のひとつです。この場合のレイアウトはデザインセンスを評価するものではなく、読み手への配慮が見極めのポイントとなります。
だらだらと長い文章が隙間なく書かれているのは、読み手に配慮したレイアウトとはいえません。適切な改行や箇条書きなど、見やすさが意識されているかを見極めましょう。
こうしたレイアウトができていない場合、資料作成やプレゼンといった能力に劣ることが想像でき、顧客への対応能力にも不安があります。
経験面で具体的な情報・数字が用いられているか
担当した業務や携わったプロジェクトなどの経験面について、具体的な情報や数字が用いられているかを確認しましょう。
例えば「大規模なプロジェクト」と一口に言っても、大企業における「大規模」と中小企業における「大規模」では、かけられている人的・金銭的コストに大きな差があります。
「どれだけの金額を動かしていたか」「何人ほどのチームで行動していたか」などが伝わるように記載されていれば、良い職務経歴書といえるでしょう。
網羅的ではなく焦点を絞れているか
社会人経験が長くなるほど経験職種や転職機会も増えていきますので、それらを細かく記載していくと大変な文量となってしまいます。優秀な人材は、自身の経験と自社での展望をうまくマッチさせて職務経歴書をまとめています。
網羅的に書かれている職務経歴書が丁寧で評価に値すると思われるかもしれませんが、読み手(採用担当者)に必要な情報を取捨選択して提示できることこそ、働き手として優秀な証拠です。
ただし、第二新卒などの若手人材は携わった職務も少ないので、職務経歴書が網羅的に書かれていることも多いでしょう。
職務経歴書をどう面接時に生かすか
経験面を具体的に説明できるか
職務経歴書の経験面で具体的な情報・数字が用いられていない場合は、面接時に確認しましょう。「しばらく担当した」「重要な仕事」といった抽象的な表現に対して、具体的な回答が得られるかがポイントです。
最悪の場合、こうした抽象的な表現は経歴の誇張や虚偽が含まれていることもあるので、欠かさずチェックしましょう。
前職の志望理由や退職理由を確認する
職務経歴書では多くの場合、前職の志望理由や退職理由については深く書かれていません。こうした職務経歴書では情報量が少ないけれど、確認すべき事柄を掘り下げることが大切です。
とくに転職経験が多い応募者は、自社でも退職のリスクがあります。可能な限り前職の環境などを確認し、自社でのミスマッチはないか確認しましょう。
自社で再現性が高いと思われる経験を掘り下げる
同業他社からの転職者に対しては当然ですが、他業種からの転職でも自社で再現性が高いと思われる経験について掘り下げて確認しましょう。
とくに未経験者の場合は、これまでの業務経験をどのように自社の業務へ生かせるかなどを掘り下げましょう。この質問に対して明確な回答を持つ応募者は、自身のスキルを正確に把握し、自社の業務についても理解を深めている優秀な人材といえます。
まとめ
職務経歴書の確認は採用活動の基本であり、優秀な人材を見出し、自社とマッチしない人材をふるいにかける大切な業務です。
その一方で、明確なノウハウが乏しく、採用担当者それぞれが感覚的に見極めている場合も少なくありません。
応募者を明確な基準のもとで評価できるよう、職務経歴書の見方を見直してみましょう。
採用のことなら、採用サイトが簡単に作れるWorkPodをお試しください。
本格的な採用サイトが簡単に作れるWorkPod(ワークポッド)なら、最寄り駅やスキルなどで検索できる「検索機能付きの採用サイト」が、お申込みと同時に手に入ります。さらにいまなら初期費用無料キャンペーン中です。