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WorkPod 採用コラム

シニア人材の活用のポイント 活躍を促す課題解決法とは

法改正や少子高齢化の影響から、シニア人材の活用は避けては通れません。一方で、すでにモチベーションの低下やマネジメントの難しさなどの課題も浮き彫りとなっており、シニア人材の活躍を促すポイントを把握し実践していかなければいけません。

「シニア人材の活用」は避けられない課題

2021年に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」が改正され、企業には70歳までの定年延長が努力義務として定められました。さらに2025年4月からは、すべての企業に「65歳への定年の引き上げ」「定年廃止」「65歳までの継続雇用制度」のいずれかが義務づけられます。

※定年延長に伴う企業への影響や対応方法は、以下の記事にて詳しく解説しています

参考:「定年延長」は2025年から義務に! 定年退職に伴う対応と手続きとは

シニア人材の活用は法的に義務付けられるといっても過言ではなく、すべての企業に共通した課題となります。

また、現在は社内の人口ピラミッドが若い企業でも、労働力人口は高齢化の一途を辿っており、早めの準備が求められます。

HR総研「シニア活用紫煙に関するアンケート調査結果」によれば、10年後には半分以上の企業で「従業員の3割以上が50代」となると想定されています。

参考:HR総研:シニア活躍支援に関するアンケート 調査結果

シニア人材の活用の準備は50代から始めることが理想であり、すでに具体的な準備を進めなければならない段階に入っているのです。

シニア人材に共通する課題

シニア人材の雇用を実践する企業のあいだでは、すでにいくつかの課題が浮上しています。パーソル総合研究所の調査から「企業のシニア人材に対する課題感」の結果をもとに解説していきます。

参考:シニア社員の活躍と再雇用課題 シニア人材のパフォーマンス・モチベーションを支える人事管理とは?

モチベーションの維持

シニア人材の就業上の課題として、モチベーションの維持の難しさが挙げられます。

「シニア社員本人の働くモチベーションの低さ」は44.9%で「すでに課題」となっており、各項目のなかでもっとも高い数値となっています。

原因としては、再雇用によって業務・給与などが変わることで、モチベーションが下がってしまうことが挙げられます。また、加齢からくる気力の衰えも仕事に対する意欲を下げることにつながり、生産性に直結する重大な問題となっています。

体力・能力の衰え

加齢による体力や視力といった身体機能の衰えは避けられず、就業自体が難しくなる職種もあるでしょう。「シニア社員のパフォーマンスの低さ」は42.9%で「すでに課題」となっており、モチベーションに次ぐ項目となっています。

集中力の低下による事故リスクや健康上のリスクなども避けられない問題であり、労働時間の見直しや配置転換などの対応が求められるでしょう。

マネジメントの難しさ

シニア人材の活用はほとんど企業にとって未知の領域となり、ノウハウがありません。実際に「シニア社員に対する現場のマネジメントの困難さ」は41.4%で「すでに課題」となっています。

シニア人材の活躍を促すポイント

「戦力」として扱う

シニア人材を活用するために避けなければいけないのが「福祉的雇用」です。

例えば「60歳以降は一律で給与を下げる」といった対応は、シニア人材に活躍を期待しておらず、福祉の意味合いで雇用を継続していると受け取られる可能性があります。

こうなると「60歳以上は何をしても評価されない」とモチベーションが低下し、生産性が下がる結果となります。シニア人材の生産性が下がれば若手・中堅社員からは「お荷物」として見られるようになり、世代間の対立や職場の雰囲気の悪化などにつながります。

60歳以上であっても生産性が高い従業員には正当な評価を与え、「戦力」として期待することが必要になるのです。

役割とマッチング

シニア人材に限りませんが、従業員を「戦力」として扱うためには、適した「役割」を与えることが大切です。

それまで現場一筋の人材だったとしても、加齢によって体力が低下すれば体力仕事も厳しくなるでしょう。フラットな目線で、シニア人材がもっとも活躍できる役割を検討し直すことが重要になるのです。

そのために必要なのが、社内のマッチング機能です。余剰な人材・業務に対してミスマッチな人材を把握し、社内で不足しているポジションや課題にマッチングさせれば、全ての従業員に適切な「役割」が割り振られます。

例えば、次世代の育成という課題があれば、シニア人材に育成のスペシャリストとしての役割を担ってもらうというマッチングが考えられるでしょう。

従業員の心の準備

制度を整えるだけでなく、従業員に心の準備をさせる時間を設けることも忘れてはいけません。

「体力が衰えているから、現場を離れて育成に徹してください」といきなり通告されても、機械のように切り替えられるわけではありません。いくら完璧な制度を整えても、従業員の気持ちが追いつくかは別の問題なのです。

準備のひとつとして、50歳前後の人材に対して継続的な研修を実施することが有効です。あらかじめ将来的な異動や給与の変動を説明しておき、本人の希望もくみ取りましょう。

老後の設計を早いうちから意識することで、早期退職などを含めて選択肢が広がります。ひいては、自身がシニア人材として働くための心の準備も整うでしょう。

まとめ

シニア人材の活用は法改正による義務化だけでなく、企業の人口ピラミッドの高齢化からも避けられない問題です。

しかし、ほとんどの企業はシニア人材活用のノウハウを持たないため、多くの課題に行き当たっています。ポイントは早いうちから心の準備を整えてもらい、適した「役割」を与え、「戦力」として扱うことです。

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