書類選考を通過した候補者に面接を辞退された経験がある企業は多いでしょう。面接辞退は社会的な要因と企業側の問題によって起こることが多く、適切な4つの対策で改善が期待できます。自社採用サイトの活用例を含めて解説していきます。
目次
書類選考を通過した候補者が面接選考を辞退してしまう、面接辞退。企業にとっては採用活動の成功率が下がるだけでなく、採用コストや人的コストも奪われる問題です。
面接辞退が発生する理由は主に、社会的な要因と企業側の問題の2つに分けられます。「転職の必要がなくなった」などの個人的な理由も考えられますが、企業側でケアできない原因であるため、ここでは詳細には取り扱いません。
まず、面接辞退を増やす社会的な要因として、労働力人口の減少による「売り手市場」が影響しています。今後さらに少子高齢化が進行することで、企業間での人材の奪いあいが加速していくと見込まれます。とくに優秀な人材には内定が集中し、争奪戦が続くでしょう。
企業は以前のような買い手(企業)優位の認識を捨て、求職者に選ばれるためのアピールを行う必要があるのです。
内定辞退は、企業側の落ち度によっても起こり得ます。
大手人材会社が1万人以上の求職者に行った調査によれば、転職活動中に面接辞退を経験したことがある人は28%にも達しており、約3人に1人は面接辞退を行っているという結果が出ています。
同調査では「辞退の理由」も確認されており、上位3つの理由は以下のような結果となっています。
・応募後に再考し、希望と異なると判断したため(44%)
・他社で選考が進んだ・内定を得た(37%)
・ネット上で良くない評判や噂を知ったため(31%)
「応募後の再考」と「ネット上の悪評」は、それぞれ企業側の落ち度が起因するものであり、対策を講じることで割合を減らすことができます。
上で紹介した面接辞退の理由をもとに、企業側で立てられる対策を紹介していきます。
「応募後の再考」による面接辞退は、web上の自社の情報が不足していることが原因のひとつとなります。情報が不足していると「何となく気になるからとりあえず応募しておこう」という「お試し感覚」につながる可能性が高まるためです。
事前に自社について理解できるよう自社サイトを整備すれば、ミスマッチを減らすことができます。これは入社後のミスマッチによる早期離職にもつながる問題であり、二重の意味で採用のリスクを減らすことができます。 募集ポジションだけでなく具体的な仕事の流れを紹介したり、福利厚生や従業員の声など掲載したりすることで、より入社後のイメージが明確になるでしょう。
「他社での内定」による面接辞退を防ぐのは難しいですが、選考スピードを上げることが対策となり得ます。
例えば、求職者もA社の最終面接の結果を待つあいだにB社の面接選考が決まれば、滑り止めの心理かもしれませんが、B社の面接にも辞退せずに臨むはずです。
逆に言えば、自社が先に内定を出せれば、それだけ採用の成功率も高まります。他社が一週間で選考の結果を伝えているのであれば、自社は3日で結果を伝え、さらに4日で面接の日取りまで決められれば、一つの選考分の時間差が生まれるわけです。 また、選考スピードの早さは、求職者にとって「企業の熱意」として受け取られます。選考スピードを上げることは実にシンプルな対策ですが、もっとも効果の高い対策といえるかもしれません。
「ネット上の悪評」による面接辞退は、職場環境の整備や取引先への誠実な対応などで防いでいかなければならない問題です。
とくに中小企業の多くは、根拠のないネット上の悪評にさらされるリスクよりも、従業員や取引先などからの「信憑性・具体性のある口コミ」に気を配らなければいけません。
「信憑性・具体性のある口コミ」がネット上に上がる原因は、自社の職場環境や取引先への対応などから、特定の人物の反感を買っていることにあります。
日頃から職場環境の整備や取引先への誠実な対応を心がければ、自社のイメージも上がり、求職者にも良い印象が届くようになるでしょう。
コロナ禍で浸透したweb面接は、面接辞退を防ぐ効果もあります。
自社での面接選考を実施するためには、日程調整だけでなく、移動の手間や心理的なハードルという問題があります。
その点でweb面接は、求職者も移動の手間がないぶん日程調整がスムーズとなり、リラックスした状態で面接に臨めることから心理的なハードルも下がります。
とくに一次面接では、積極的にweb面接を導入してもよいかもしれません。
面接辞退への対策の多くは、自社採用サイトを設置することで効率的に解決できます。とくに、「自社サイトの情報整備」と「選考スピードの上昇」の2つに大きく寄与します。
では、社員インタビューや社内風景などを掲載でき、自社を深く理解してもらうためのコンテンツが簡単に作れます。
求人サイトなどでは文字数や写真の数に制限があることも多いのですが、自社採用サイトならば伝えたい魅力を泣く泣く取捨選択する必要もありません。
選考スピードを上げるために欠かせないのが、社内での情報共有です。
では応募者情報を細かく入力することができ、ポートフォリオなどもまとめて管理できます。
さらに「メンバー管理」機能を利用することで、社内での情報共有がスムーズとなり、選考スピードが上昇します。
また、応募者との「チャットメッセージ機能」もついているので、コミュニケーションもスムーズになるでしょう。
面接辞退は求職者側のわがままなどではなく、企業側の対策ひとつで劇的に改善できる問題です。
その対策法も決して困難な課題ではなく、経営層や人事担当者の働きかけで乗り越えられるものばかりです。とくに自社採用サイトは各種の対策と相性がよいため、面接辞退に悩む企業はぜひ導入を検討してみてください。