若手の現場監督の正しい育て方とは?育成ポイント・NG事例を解説
建設業の現場監督にとって「悩みのタネ」の1つが若手の育て方。建設業界は若手の人材が不足しています。ただでさえ若手がいないのに、若手の現場監督の育成に失敗し離職に繋がってしまっては困りますよね。若手の現場監督に対しては育成ポイントを押さえた「正しい育て方」があります。この記事では、若手現場監督の育成ポイント、やってはいけないNGな育成事例を解説します。
目次
若手の現場監督の育成が重要な理由
建設業の仕事は地図に残るため、やりがいや意欲を高められる仕事です。しかし若手社員が意気揚々と現場に入ってきても、やりがいや意欲だけでは仕事を続けられません。若手の現場監督をうまく育成しないと離職に繋がるリスクがあります。
建設業では若い人材が不足しています。国土交通省の「建設業及び建設工事従事者の現状」(2016年)によれば、55歳以上の就業率が33.9%であるのに対し、29歳以下の就業率は11.4%と低水準。若手が不足している建設業では、しっかりと教育し人材を繋ぎとめておく必要があるのです。
若手の現場監督育成でやってはいけないNG事例
若手の現場監督を育成するにあたって、やってはいけないNG事例があります。現場でこんな指導をしていたら要注意です。
感覚的に指導する
長年にわたり現場監督を経験してきた指導者にとっては、教育とは現場で学ぶものだという意識が染み付いています。指導者自身が感覚的に教わってきた経験があるので、若手にも感覚的に教えて良いものだと考えています。また、たとえ感覚的な指導であっても、指示通りに動かないと怒られる環境で指導者は育ってきたので、指示通りに動かない若手を叱ることがあるでしょう。
しかし若手の現場監督は「教えるべきことも教えていないのに叱られる」ことに納得しません。「建設業とは感覚的に指導するもの」という昔ながらの文化は、若手には通用しないのです。また、若手の現場監督はキャリアのやり直しがききますから、「建設業はコリゴリ」とばかりに異業種に転職してしまうこともあり得ます。若手が不足している建設業において、若手の現場監督の離職は避けたいところです。
口頭のみで指導する
現場監督の仕事は多岐にわたるので、口頭のみの指導には様々なリスクがあります。
現場監督の仕事は、ざっくり言えば工程管理、安全管理、品質管理、原価管理です。現場監督の仕事は多岐にわたり、現場経験を経ながら1つひとつ着実に覚えていくことになります。若手の現場監督に口頭のみで指導すると、次のようなリスクを招きます。
- 工事が工程・予算通りに進むよう管理できない
- 品質面、安全面に責任を負えない
- 職人に的確な指導を行えない
- ルールが分からないので、相手が求めるレベルの書類のアウトプットができない
若手の現場監督は、口頭のみで指導されることによって、リスクを抱えながら仕事に向き合うことになります。指導者は口頭だけでなく、仕事で使う資料、社内規程、プレゼンテーション資料などを用いて、分かりやすく指導する必要があります。
若手の現場監督を育成するポイント
若手の現場監督に対するNGな教育事例を確認してきました。続いては、若手の現場監督を正しく育てるための育成ポイントを4点、紹介します。
若手に必要な知識を把握し、教育計画を立てる
経験豊富な現場監督と若手では、知識量が違います。「これくらいは知っているだろう」と指導者が思ったことが相手にとっては未知のことがあります。ですから教育を行う前には、若手の現場監督に必要な知識とは何かを把握する必要があります。
まずは現場監督として最低限知っておくべき知識を洗い出してみましょう。その上で若手が学習できる内容を選択します。いきなり現場監督の仕事の全貌を教えようとしても相手は覚えきれません。覚えきれないと前述のリスクにぶち当たることになります。着実に一歩一歩、学習していけるように教育内容を選んで下さい。
教育内容を把握した後は、教育内容を立てます。新入社員であれば1~2年間、中途入社の若手社員であれば6~12か月間の期間に分けて教育できるよう、計画して下さい。
知識を詰め込み過ぎない
教育計画を立てたら、次はいよいよ教育の実践です。「感覚的な指導」が指導者に染み付いていると知識を詰め込みたくなりますが、これは避けましょう。いくら知識を覚えても、行動に移さなくては覚えられません。つまり仕事をしないと本当の意味では学習できないのです。
少し教えては仕事で実践、少し教えては仕事で実践を繰り返すのです。「学習したXの意味はこういうことか!」と若手が納得することで、少しずつ理解が進みます。現場監督の仕事内容には品質・安全に関わるものがあります。うろ覚えの知識で行動した結果、品質・安全面を損ねたら大変です。無理に知識を詰め込むのではなく、相手の知識量を着実に増やすことが大切です。
若手の意思を反映した目標を設定させる
若手の現場監督を育成するには、若手の意思が反映された目標を設定することも重要です。つまり、指導者が「これを覚えろ」と強制するのではなく、若手の現場監督が「こんな風になりたい」という意思を反映した目標にするのです。
若手の現場監督は、建設業への漠然とした憧れを抱いています。きれいごとでは済まない仕事の大変さは、現場に入れば嫌と言うほど味わうでしょう。まずは若手の現場監督として、1年後どのようになっていたいか、そのためにはどうしたら良いかを指導者が一緒になって考えます。共に目標を設定するのです。若手の意思を反映した目標は、若手の主体性を育てます。
事実を元に厳しく指導する
若手の現場監督に対しては、感覚的・口頭のみの指導はNGと説明しました。だからと言って叱っていけないわけではありません。工事現場では「ご安全に」を挨拶言葉として使いますが、それくらい安全に対する意識は何よりも重視されるのです。
そのため、若手の現場監督が危険な行動を行った場合は、厳しく指導する必要があります。工事現場は危険と隣り合わせなので、ときには指導者が怒鳴ることもあるかもしれません。しかし、相手がケガをしたり、あるいは第三者にケガをさせてしまったりすることを考えれば怒鳴ることも致し方ないのです。
叱るときは感情的に叱るのではなく、事実を元に指導しましょう。なぜ危険行動がダメなのか、若手の行動のどんな点が危険なのか、具体的に事実を元に指導することで、若手の現場監督も叱られた理由が分かります。また、若手も具体的に指導されているため、「次はやらないようにしよう」と考えます。
まとめ
若手の現場監督の正しい育て方、やってはいけないNG教育について解説してきました。建設業では、「感覚的に指導する」「口頭のみで指導する」などが当たり前に教育されてきたことでしょう。しかし若手の現場監督には、当たり前が通用しないと考えて下さい。現代の当たり前は、4つ育成ポイントです。ポイントを押さえて育成することで、若手を正しく育てることができます。
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