メンター制度は新人の早期離職を防ぐ 導入時に必要な4つのポイント
メンター制度は、新入社員の早期離職防止や、中堅社員のマネジメント機会の創出が期待される育成制度です。メリットの多い制度である一方、きちんと運用しないと結果が得られにくいという側面もあります。メンター制度の運用とそのポイントについて解説します。
目次
メンター制度とは
メンターは「優れた指導者」「助言者」といった意味を持つ言葉です。転じてメンター制度は、先輩社員がメンターとして新人社員の教育担当になることで、新人の効率的な育成や業務上の不安解消を図ることなどを目的としています。
近年になって新人教育の一環として注目を集める制度ですが、医療業界で先進的に取り入れられてきたことから、テレビドラマなどで言葉だけは知っているという方も少なくないでしょう。
新人の指導に直属の上司や先輩社員が当たることは当然ですが、メンター制度は多くの場合、他部署の先輩社員が務めることを指します。
他部署の先輩社員をメンターとする理由
メンター制度の特徴として、他部署の先輩社員を登用することが挙げられます。直属の上司や先輩社員が指導に当たるのとは、また違った効果が得られることが期待されます。
第三者的立場だからこそできる相談
業務上で抱える不満や人間関係の問題は、直属の上司や先輩社員には伝えにくい場合があります。他部署の先輩社員という一歩離れた第三者的立場だからこそ、相談できる問題もあるでしょう。こうしたメンタル面のケアは新人社員の早期離職の防止につながり、離職率の低下が期待できます。
メンターのマネジメントスキル向上
メンター制度は新人社員だけでなく、メンターを務める先輩社員のマネジメントスキルの向上が期待できます。
管理職になるための訓練の機会は、なかなか得られません。その点で新人社員の指導経験が得られるメンター制度は、先輩社員にとっても貴重な経験となります。
部署間の交流機会の創出
部署間の交流が乏しい企業にとっては、メンター制度が従業員同士のコミュニケーションのきっかけとなります。部署間の交流が乏しい雰囲気が出来上がっていると、従業員同士で交流のきっかけを作るのは難しいものです。
メンター制度を数年間継続すれば、他部署との交流経験を持つ従業員が多くなり、部署間の交流が自然と起こる雰囲気が醸成されていきます。
メンター制度導入時の4つのポイント
適切な人材をメンターに登用する
メンター制度はうまく運用しないと、義務的に他部署の従業員と話すだけの機会に成り下がります。特にメンターを持ち回り制などにすると、コミュニケーション能力に欠ける社員や意欲の低い社員が担当になる可能性もあります。新人社員がメンターとの交流を負荷と感じてしまっては本末転倒です。
また、優秀な中堅社員ならば、確実に優秀なメンターになるとは限りません。人にはそれぞれ相性がありますので、人事担当者はうまく新人社員とメンターの性格がマッチするよう配慮しましょう。
管理職となれば部下の選り好みはできないわけですが、初めてのマネジメント機会で芳しくない結果となれば、自信を喪失して自ら管理職へのステップアップを諦めかねません。
適切な人材を配置するために、人選はしっかりと行いましょう。
指揮系統を明確にする
メンター制度で陥りやすい問題として、新人社員から見たときに「誰に指示を仰げばいいかわからなくなる」ことが挙げられます。
メンターの役割はあくまでサポートであり、業務上の指示は直属の上司が行うといった具合に指揮系統を明確にする必要があります。
メンター業務の区切りを明確にする
メンター業務はメンタル面のケアなどを行う性質上、勤務時間外に新人社員の相談に乗る可能性があります。社内では話しにくい内容であれば、退勤後に飲食店などで相談することもあるでしょう。これも立派なメンターとしての業務となりますので、時間外労働として認めることを検討しなければいけません。
一方で、業務の一環なのか、プライベートでの交流なのかを見分けることは困難であり、どこまでを業務として区切るか明確にする必要があります。
勤務時間外のメンター業務を禁止する、飲食代を一回限り補助するといったルールを設定し、メンターに負担がかからないよう配慮しましょう。
メンター期間終了後に結果をまとめる
メンター制度は、数字化されたわかりやすい結果が出るものではありません。そのため、期間終了後に当事者たちが感じた問題点や改善点をレポートなどにまとめてもらう必要があります。
必ずしもメンターと新人社員の気が合うとは限らず、表層的な関係に留まることもあります。交流がうまくいかなかった要因や、理想的な関係性となった事例などをまとめ、メンターの人選や新人社員の育成などに役立てていくことが大切です。
まとめ
メンター制度は新人社員の早期離職の防止や、中堅社員の貴重なマネジメント機会となり得る画期的な制度です。一方で、うまく運用しないと新人社員、メンターともども負荷にしかならなかったという結果を招きかねません。
人事担当者はしっかりとルールの整備やメンターの人選を行い、制度を運用していきましょう。
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