人事に役立つ
WorkPod 採用コラム

管理職研修とは?必要な理由・進め方・研修の種類について解説

管理職が組織目標を達成するためには、必要な能力を学習し、職場で実践することが不可欠です。管理職研修は、管理職に求められる能力を教え、教わったことを職場で実践するための教育の場です。管理職研修の進め方や種類・事例について解説します。

管理職研修とは?

会社には経営ビジョンを実現するための会社目標があります。そして、会社目標とリンクした組織目標を達成するために動くのは管理職です。ですから管理職には、大きな期待と責任がのしかかっています。管理職研修とは、管理職に必要な能力を学習させ、職場に戻って実践し、マネジメント力を磨いてもらうための教育のことをいいます。

管理職研修が必要な理由

管理職研修が必要な理由は次の3つに分けられます。

  • 管理職に昇進したからといって、マネジメントできるようにはならないため
  • 多様な人材を率いて、組織目標を達成しなくてはならないため
  • 管理職をとりまく環境の変化に対応しなくてはならないため

第一に、一般社員が管理職に昇進しても直ぐにマネジメントできる訳ではありません。優秀な野球選手が優秀な監督になるとは限らないように、優秀なプレイヤーが必ずしも優秀なマネジャーになる訳ではないのです。そのため、研修を受けることで管理職に求められる能力を知り、職場での実践を促す必要が出てきます。

次に、管理職は組織をたばねる必要があり、部下を率いて組織目標を達成する必要があります。部下といっても多様な人材がいます。会社の指示を何でも聞けるフットワークの軽い人材ばかりではありません。外国籍の人、障害を持ちながら働いている人、育児や介護と仕事を両立させたい人、本業の他に副業を持っている人、あるいはテレワークで働く人など、働き方が多様になっています。

多様な人材をまとめ、組織目標を達成するための力は、プレイヤーとして経験を積んできたキャリアだけでは対応しにくくなっています。研修によって、多様な人材をまとめるにはどんなマネジメントが要るのか、リーダーシップを通じて目標を達成するにはどうしたら良いかなどを研修で学ぶ必要があるのです。

最後に、管理職をとりまく環境の変化に対応する必要があります。SNS、AI、ロボットなどの発達により、既存のビジネスの延長では仕事が成り立たない可能性が出てきます。環境変化に対応する能力を養うために研修が必要となります。

管理職研修の目的

管理職研修の目的は、管理職のキャリアに応じて変わってきます。新任管理職なら、管理職としての心得というべき管理職の能力を学習します。中堅クラスの管理職なら、管理職としてのレベルはどのくらいにあるのか、改善すべき課題は何かを把握し、さらに能力を向上させていきます。

上級管理職に対しては、キャリアの最終ステージである役員への道を歩むため、経営戦略を立案する力、経営的視点に基づくマネジメントなどを研修で学びます。

管理職研修で注意したいこと

管理職研修で注意したいのは、管理職研修を受けただけではマネジメント力は向上しないということです。研修を受けることでマネジメントに関する学びはあるでしょう。しかし職場実践しなくては、マネジメント力は上がりません。実践して初めて、マネジメント力が高まるのです。

ですから、管理職研修の講義やフィードバックの中で、職場実践することが重要だとしっかり伝えましょう。

管理職に求められる能力

管理職にはどんな能力が求められるのかを紹介していきます。

一番大事なのはマネジメント

管理職に求められる能力の中で最も大事なのはマネジメントです。マネジメントは、管理職が組織目標を達成するための全ての行為です。組織目標は会社目標に連なります。管理職にとってマネジメントが最も大事な理由は、組織目標の達成が会社目標の達成につながるからです。

マネジメントには、組織をまとめて、部下を動機付け、リーダーシップを発揮するといった行為の全てが含まれています。

『マネジャーの実像』の中で経営学者のミンツバーグは、「マネジメントは実践の行為であり、主として経験を通じて習得される」といっています。研修でマネジメントの重要性を学んだ管理職は、職場実践を通じてマネジメントを体現し、高めていきます。

組織形成力

管理職にとって重要な能力として、組織形成力があります。組織形成力とは一言でいえば組織をまとめる力のこと。管理職は「組織をこんなふうにしたい」というビジョンを描きます。そして、ビジョンの元に組織をまとめていきます。もし、部下がビジョンに反する行為をしたら管理職は軌道修正していきます。組織形成のために、管理職は、時には厳しい言葉を部下に向かって投げかけることもあるでしょう。

部下の動機付け

部下は放っておいても育ちません。管理職が部下を動機付けることで、部下は育っていきます。動機付けにはいくつかの種類がありますが、部下の動機付けに効果的なのが内発的動機付けを高めてあげることです。

内発的動機付けとは、その人自身の内面から起こる動機付けをいいます。ビジネスでは、金銭や評価のために仕事をするのではなく、「仕事がしたいからする」とでもいうべき状態ですね。管理職は、自らの経験を元に、部下に対して対話し、あるいは情報を発信することで内発的動機付けを高め、部下を育成していきましょう。

リーダーシップ

リーダーシップは、組織目標を達成するべく、部下に対して働きかける行為をいいます。リーダーシップには部下の動機付けも絡んできます。金銭や評価のためだけではなく、「仕事がしたいからする」状態に部下を引き上げ、そして個々の目標達成のために働きかけることが管理職のリーダーシップです。

管理職研修の種類

管理職研修ではどんなことを学習するのでしょうか。種類別に解説します。

新任管理職研修

管理職に昇進したばかりの人に対しては、新任管理職研修という研修があります。これは「マネジメントの概要と進め方」「人事評価のやり方」「管理職に必要な会計の知識」などを学習する研修です。

一般社員の時にもマネジメントを発揮してきた人もいるでしょう。しかし、組織目標を達成するという重責を負いつつ、部下を方向付けるという仕事は、管理職として経験をしなければ分からないものです。ですから、マネジメントの概要と進め方については丁寧に学習していきます。講義だけでなく演習もしっかりと取り入れることで体に身に付いていきます。マネジメントは行動パターンにならないと職場で力を発揮できません。

管理職となれば部下の人事評価を行います。人事評価は部下の昇格スピードに関わり、また、彼ら彼女らの動機付けにも繋がってくるものなので正確に行わなくてはなりません。人事評価の進め方や注意点について分かりやすく解説する必要があるでしょう。

会計については、経理・財務の管理職、あるいは部長クラスといった上級管理職でなければ実務で使わないと思うかもしれません。しかし、組織をたばねる者として会社の財務状態やお金の流れについて知っておくことは重要です。新任管理職研修では、決算書が読める程度の会計の知識を学習させるようにします。

上級管理職研修

上級管理職は、将来の役員候補として位置付けられます。そのため、膨大な情報量を速やかに把握して意思決定する判断力が問われます。また、経営に近いことから経営戦略的な発想もしっかりと習得しておく必要があるでしょう。

人材アセスメント

人材アセスメントは、管理職がどの程度の能力を持っているかを評価する研修です。新任管理職から上級管理職まで、全ての階層で人材アセスメントを行うことができます。能力を評価するのはアセッサーと呼ばれる専門家。自社が求める管理職のマネジメント力に照らし合わせて、どのくらいのレベルに達しているか評価します。

評価結果は人事部に対してレポートで提出され、それぞれの管理職のレベル感を知ることができます。人材アセスメントの演習は、管理職にとって苦しく、難易度が高いものとなっていることが多いです。あえて修羅場を設定することで、管理職の本来のマネジメント力が試されるのです。

まとめ

管理職に求められる能力を講義で解説し、職場で実践するよう促すのが管理職研修の役割です。会社をとりまく環境はますます変化していくでしょうから、これからの管理職には新しい変化に対応していける柔軟性や発想力が求められてきます。

採用のことなら、採用サイトが簡単に作れるWorkPodをお試しください。

本格的な採用サイトが簡単に作れるWorkPod(ワークポッド)なら、最寄り駅やスキルなどで検索できる「検索機能付きの採用サイト」が、お申込みと同時に手に入ります。さらにいまなら初期費用無料キャンペーン中です。

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます