退職理由を採用と組織運営に活かす 質問のポイントを解説
「退職理由」は、中途採用時では重要な選考基準となり、従業員の退職時では組織運営に活かすべき貴重な情報となります。一方で、「本音と建前」を見抜いて聞き出さないと有益な情報にはならないため、ポイントを押さえて質問しなければなりません。
目次
退職理由の確認は重要な選考基準
中途採用を行う際、候補者の前職の退職理由は重要な選考基準となります。退職理由には、その人材がどのようなことにストレスを感じ、今後何を為したいのかが表れ、自社とのマッチ度を図るうえでこれ以上ない情報となるからです。
一方で、候補者の退職理由の「本音と建前」を見抜くことも重要となります。例えば人間関係が原因の退職だった場合、ハラスメントが横行している環境であれば退職も当然ですが、少々反りが合わない程度で退職しているのであれば、自社でも同じ理由で離職するリスクがあります。
候補者が正直に話しているか、話の辻褄は合っているかなどを見抜いて、選考に活かさなければなりません。
選考時の退職理由のチェックポイント
選考時、退職理由から候補者の人柄を正確に見抜くためには、何に注意すればよいのでしょうか。4つのチェックポイントから、解説していきます。
回数よりも理由
転職回数の多さは、マイナス要素のひとつとして判断されがちです。しかし、ブラック企業での就業や体調面の問題など、やむを得ない理由で退職につながることもあります。
転職の回数で頭ごなしに評価するのではなく、しっかりと退職理由を見極めて評価するように心がけましょう。
論理的な理由になっているか
本当の退職理由を隠している場合、回答が支離滅裂だったり、具体性が乏しかったりと、論理性に欠けていることが多くあります。
退職理由が論理的でない場合は、家庭の事情や病気といったどうしても伏せておきたい事情に気を配りつつ、一歩踏み込んで候補者の真意を探ってみましょう。
本人の責任の度合い
退職理由が候補者本人の努力で改善できる問題かどうかは、重要なチェックポイントとなります。
例えば、企業の業績不振や長時間労働の常態化などは、個人の働きかけだけでは改善の難しい問題といえます。
ただ、サービス残業ひとつをとっても、本人に責任が全くないとは限りません。同僚は同じくらいの仕事量を定時内でこなしているのに、当人だけが仕事の遅さから残業を行っている可能性もあります。
社会情勢による業界全体の低迷など、本人に責任のないことが明白な場合以外は、できるだけ詳細に話を掘り下げてみましょう。
次の会社に求めることを確認
うまく退職理由を探れないと感じたときは「次の会社に求めることはなにか」と、質問の仕方を変えてみるとよいでしょう。
この回答が「人間関係」であれば、前職の人間関係が良好ではなかった可能性が高く、「やりがい」であれば、業務内容に不満を感じていた可能性が高いわけです。
求職者にとって退職理由は、「仕事を辞めた」という後ろめたさが付きまとうものです。質問の仕方を変えて、自然と本音を引き出せるよう配慮するのも、面接官の腕の見せ所といえるでしょう。
従業員の退職理由は貴重な情報源
退職理由は、採用活動時にだけ確認するものではありません。自社の従業員が退職する際も、その理由を探ることで様々な情報が得られます。
例えば、従業員がどんなことに不満を抱えて、退職に繋がったのかを知ることで、自社の改善すべき問題が浮き彫りとなります。ひいては、先々の退職率を下げることにも繋がります。
しかし、従業員の退職理由は建前で伝えられがちです。「立つ鳥跡を濁さず」という言葉があるように、わざわざ本音を伝えてトラブルを起こしたくないと考えるためです。そこで実施すべきなのが、退職前面談です。
退職理由を探るには退職前面談
退職前面談はエグジットインタビューとも呼ばれ、その名のとおり、従業員が退職する前に面談の機会を設けることです。親しい上司が行うこともあれば、反対に第三者的に話を聞ける人事部が担当することもあります。
辞めるからこそ言えることを引き出す
退職前面談は、従業員を引き留めるために行うものではありません。在職中は口に出しにくかった社内の問題点を引き出し、今後の改善点を探る試みです。
そのため、結婚や介護などのやむを得ない退職理由の場合でも実施すべきといえます。
自社の悪評を防ぐ
退職前面談には、従業員に少しでもよい心証で退職してもらう狙いもあります。現在はSNSや口コミサイトなどで、会社の悪評はいつまでもインターネット上に残ってしまう時代です。
今後の採用活動を考えるうえでも、退職者から悪評が広まらないようケアすることも重要な施策といえます。
強い憤りを持つ退職者には要注意
退職前面談は、退職者が自社に対して強い憤りを持っている場合、本音を引き出せなかったり、事実よりも誇張されたりする可能性が高くなります。
このような従業員から社内の悪評を聞き取っても鵜呑みにはせず、他の従業員の情報と照らし合わせてから対応にあたる必要があります。
まとめ
退職理由は採用活動時にだけ確認するものではなく、自社の従業員が退職する際にも確認すべきものです。
同じ「退職理由」であっても、聞き取り方や求める情報は異なりますので、それぞれ質問の仕方や内容を準備しておくとよいでしょう。
共通して重要になるのは、建前ではなく本音を引き出すことです。センシティブな内容を含むこともあり難しい試みではありますが、採用活動や組織運営に活かしてみてください。
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