建設業で人手不足が起こる理由とは?人手不足を解消するための改善ポイントを解説
オリンピックの需要が落ち着いた建設業界。オリンピック後もインフラ工事やメンテナンス工事などの需要があり、仕事は豊富にあります。一方で建設業界では人手不足が深刻で、特に現場監督者や職人などが足りていません。この記事では、建設業で人手不足が起こっている理由、人手不足を解消するためのポイントについて解説します。
目次
建設業界で人手不足が起こる理由
建設業の人手不足は深刻で、コロナ禍でも有効求人倍率は4.65%(令和3年4月)と高い数値を示しています。オリンピック需要が落ち着いた建設業界ですが、現在ではインフラ工事やメンテナンス工事などの需要があり、仕事は豊富にあります。特に現場を管理する現場監督者、現場で作業する職人など、工事現場で全面に立って仕事をする人材が足りていません。なぜ人手不足が起こっているのでしょうか?人手不足が起こる理由を探っていきます。
人手不足が起こる理由は次の2つです。それぞれ説明します。
- 若い労働者の減少
- リーマンショック以降の職人の減少
若い労働者の減少
人手不足の理由の1つが「若い労働者の減少」です。データを確認してみましょう。国土交通省の「建設業及び建設工事従事者の現状」(2016年)によると、55歳以上の就業率は33.9%です。一方で29歳以下の就業率は11.4%と低い数値に留まっています。建設業界においては、若い労働者の就業率の割合は1割に過ぎないということです。
高齢化が進む中で、建設業では若い労働者の就業が少ないのです。ベテラン社員はいずれ退職していきます。若い労働者が少ないと年齢構成が歪になり、工事を受注しても対応できなくなる事態も考えられます。つまり将来的には建設会社の事業が成り立たなくなることも想定されるわけです。
建設業で若い労働者が減少しているのは、「待遇や福利厚生、人間関係に不満がある」「3Kのイメージがついている」などの事情が挙げられます。若者に魅力的だと思われないと、人手不足を解消することが難しくなるということです。
リーマンショック以降の職人の減少
人手不足の理由の2つ目が「リーマンショック以降の職人の減少」です。リーマンショックは、2008年のサブプライムローン問題を引き金にして起こった金融危機。多くの会社が経済的ダメージを受け、業績低下を余儀なくされました。建設業界も例外ではなく、国内の需要が減少しました。
リーマンショックにより職人は他の業界に転職していきました。しかし、一度他業界に転職した職人はなかなか戻らず、国内の経済が持ち返した後も、職人は建設業界に戻ってきませんでした。若者と同様に、職人の就業を促進するための施策が必要になってきます。
人手不足を解消するための改善ポイント
建設業界が人手不足に陥った理由を確認してきました。人手不足を解消するには、自社内でできる改善ポイントを実践することが重要です。以下の3つの改善ポイントを解説します。
- 待遇改善
- 福利厚生の充実化
- 労働者の工数削減
待遇改善
建設業で人手不足を解消するには、求職者に「この会社で働きたい」と思ってもらうことが肝心です。労働者の待遇を改善することで、応募を促し、さらに人材を定着させることもできるからです。待遇改善の事例としては次のものが代表的です。
- 長時間労働の是正
- 同業同規模他社と比べた給与水準の是正
- 人材育成の充実化
土曜日に工事を行うことが多い建設業界では、労働者が長時間労働になりがちです。求職者も「建設業では長時間労働が当たり前」と思っています。ですから、長時間労働を是正し、プライベートと労働のバランスが取れているとアピールすると、「この会社で働きたい」と思ってもらえるようになるのです。
給与水準については、「賃金構造基本統計調査」により同業同規模の競合他社と比べてギャップがないように是正する必要があります。人材育成については、OJTで終わりがちな教育に外部研修やeラーニングを導入するなどの工夫を凝らしましょう。給与水準の是正と人材育成の充実化も、人材確保と人材の定着に効果があります。
福利厚生の充実化
建設業の人手不足を解消するための改善ポイントとして、福利厚生も重要です。適用事業所であれば社会保険加入は必須なので、必ず加入するようにします。なお、適用事業所なのに社会保険に加入しないと、人材を採用できないだけでなく、会社として公共事業への入札ができないリスクが生じます。つまり社会保険加入は、人手不足を解消するための最低条件だと思って下さい。
求職者に自社の魅力を感じてもらうためには、福利厚生を充実化させる必要があります。「労働者が働きやすい環境を作るために、自社ではこんな福利厚生を準備していますよ!」とアピールすると「応募してみようかな」と求職者に考えてもらえます。福利厚生の充実化の手段として、福利厚生アウトソーシングサービスを検討してみましょう。
労働者の工数削減
求職者はムダを省き、生産性を高めて働ける職場を求めています。ムダなく、工期が長引くことなく、効率的な働き方ができるように工数削減を行います。工数削減で取り組みやすいのがタブレットやスマートフォンなどのデバイスの配布です。現場監督者や職人にデバイスを持たせると、コミュニケーションが取りやすくなり、書類や図面、現物の確認の手間を省くことができます。
採用サイトで改善ポイントを情報発信しよう
人手不足を解消するための改善ポイントについて確認しました。しかし、いくら待遇を改善し、福利厚生を充実化させたとしても、求職者に知ってもらわなければ意味がありません。そこで採用サイトを活用して情報発信することをお勧めします。
採用サイトはホームページから独立したコンテンツ。募集要項の他、経営者や人事部、先輩社員のメッセージ、仕事の進め方などを載せて、求職者に訴求することができます。待遇改善や福利厚生の充実化、そして労働者の工数削減について、採用サイトでアピールするようにしましょう。
「採用サイトを作るなんて難しいんじゃないの?」と思う人もいると思います。確かに1から採用サイトを作るのは簡単ではありません。ただし、ホームページを作れるクラウドサービスを活用頂く場合、話は変わってきます。テキストや写真などを入力するだけで、簡単にホームページや採用サイトを作ることができます。
クラウドサービスを使えば、専任のIT担当者を雇用する必要がありませんし、更新も容易にできるようになるので、検討してみましょう。
まとめ
深刻な人手不足に陥っている建設業。インフラ工事やメンテナンス工事など、仕事は豊富にあるため、人手不足解消は喫緊の課題です。本記事では、人手不足を解消するための改善ポイントを解説してきました。
改善ポイントで示した「長時間労働の是正」「同業同規模他社と比べた給与水準の是正」「人材育成の充実化」は大変な作業ですが、人材を確保し、定着するために取り組んでいきたいところです。そして、少しずつ、改善した内容を採用ページでアピールしていくと良いでしょう。
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