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アサーティブコミュニケーション 自己主張と尊重で得られる変化とは

2021.1.15

アサーティブコミュニケーションは、お互いを尊重したコミュニケーションを意味します。「誠実さ」「率直さ」「対等」「自己責任」の4つを踏まえた自己主張を行い、相手の意見を適切にくみ取ることを目的とします。得られるメリットや導入法を学んでいきましょう。

アサーティブコミュニケーションとは

アサーティブ(assertive)は「自信に満ちた態度、積極的、自己主張する」といった意味をもつ言葉です。転じてアサーティブコミュニケーションとは、お互いを尊重してコミュニケーションをとることを意味します。

基本となるのは、「誠実さ」「率直さ」「対等」「自己責任」の4つを大切にしたコミュニケーションです。自分の考えを率直かつ誠実に、相手と対等な視点で、責任をもって伝えることが理想となります。

日本人は自己主張が苦手といわれており、「つい自分の意見を飲み込んでしまう」「相手の主張に押し切られてしまう」といったことが起きがちです。

そうした表に出せなかった意見のなかには、クリエイティブな発想や本来は口に出して伝えてほしい会社への不満などがあるかもしれません。

こうした機会損失を防ぐためにも、アサーティブコミュニケーションによって「相手の意見を適切にくみ取ること」と「自分の意見をしっかりと伝えること」を身につける必要があるのです。

アサーティブコミュニケーションが求められる背景

アサーティブコミュニケーションが求められる背景として、年功序列の衰退や雇用の多様化など、日本企業における人間関係の複雑化が挙げられます。

年上部下や年下上司、外国人の同僚など、これまで経験したことがない関係性で業務を行う機会が増えてきています。以前であれば、飲み会で交流を深めるといった対処法が通じたかもしれませんが、現在は価値観の変容や社会情勢などから、飲み会は歓迎される文化ではありません。

人間関係が複雑化しているのにも関わらず、交流の機会が減っていることから、社内のコミュニケーションを円滑化する方法が求められているというわけです。

アサーティブコミュニケーションによるメリット

クリエイティブな環境を作る

アサーティブコミュニケーションによって、通常であれば埋もれてしまっていた発想をくみ取りやすくなります。

機会損失の典型が、上司と部下のあいだのやりとりです。「上司の指示が高圧的」「部下が意見を飲み込みやすい」といった一方通行のコミュニケーションが常態化していると、クリエイティブな環境は作り出せません。

よく「うちの会社は新しい発想が出てこない」といった悩みが聞かれますが、意見を言いやすい環境や関係性を作り出すことが大切なのです。

またクリエイティブの創出に限らず、報連相が活発になることでトラブルの回避や業務の円滑化といった日常的な変化も期待されます。

離職リスクの低減

従業員の意見や不満をくみ取れない環境は、離職リスクを高めます。アサーティブコミュニケーションを浸透させることにより、不平不満をため込ませない環境を作りだすことができます。

経営層や管理職からすれば、会社に対するネガティブな意見は素直に受け取れないかもしれません。

しかし、アサーティブコミュニケーションの基本のひとつは「対等」。「反抗的な部下」などとは考えず、意見を口に出せる関係性が築けていると前向きに考えましょう。

逆に従業員の立場からただ不満ばかり言うことも、アサーティブコミュニケーションとはいえません。双方とも「相手の立場を考える」ことが重要であり、従業員は上長や会社の置かれている状況を理解したうえで、自身の意見を主張しなければなりません。

営業力の向上

アサーティブコミュニケーションは、営業能力の向上にもつながります。日頃から相手の立場から物事を考えることにより、クライアントの要望をくみ取る力が醸成されます。

また、アサーティブコミュニケーションの基本である「誠実さ」は、信頼の獲得につながるでしょう。

アサーティブコミュニケーションの導入

自身の自己主張タイプを把握する

アサーティブではない自己主張として、以下の3つが挙げられます。

攻撃的タイプ

関係性を勝ち負けで捉え、相手より優位に立とうとする。

受け身タイプ

人間関係で波風が立つのを嫌い、なかなか自身の意見を表明しない。

作為タイプ

真っ向から人と争うことはないが、陰口などで間接的に不平などを表す。

人は多かれ少なかれ、上のタイプのいずれかの自己主張を行っています。また、必ずしもどれか一つのタイプに当てはまるわけではなく、「同姓に対しては攻撃的」「上司に対しては作為的」など、相手によって自己主張のタイプが変化することも多々あります。

大切なのは自身の欠点を把握したうえで、アサーティブな自己主張を心がけることです。

自身の考えを明確化する

アサーティブ(自己主張)という言葉のとおり、まずは自分の考えを明確にしましょう。これは「誠実」「自己責任」が深く関係します。

例えば「納期を来週に延ばしてほしい」という自分の考えを伝えたいとします。これを誤解なく伝えるには、「なぜ延ばす必要があるのか」「何をすれば来週には間に合うのか」といった補完が必要となります。

アサーティブコミュニケーションを心がけた際、まず相手の意図を理解しようと前のめりになりがちですが、自分の考えを誤解なく伝える準備を整えなければならないのです。

Noと言うことも大切

アサーティブコミュニケーションに欠かせないのが、ときにはNoとはっきり伝えることです。これは「率直」「対等」が深く関係します。

例えば上司から指示を受けた際、自身のスキルでは達成困難な内容・量だったときはNoと言うべきなのです。無理に請け負っても望まれるクオリティには到達しませんし、未達のまま期日を迎えてしまう恐れもあります。

「わからない部分がある」「いつまでなら行えるか」といったことを上長に対して率直に伝えなければ、継続して同様の仕事が割り振られ、どこかで必ず破綻が生じます。

誤解が生じないよう、正しくNoと言えるよう心がけましょう。

まとめ

会社という組織は、今後ますます性別や年齢、国籍を問わない多様な人材が共存する環境となるでしょう。

また、テレワークやフリーランスなど働き方も多様化しており、必ずしもオフィスで顔を合わせて働くという関係性が構築されるわけではありません。

こうした多様性を認め、しっかりと自己主張を行うために、アサーティブコミュニケーションが必要となるのです。

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