日本で就労する外国人の数は過去最高を更新し続けており、中小企業が外国人雇用の主たる存在となっています。一方で外国人雇用は日本人の採用活動とは勝手が異なり、在留資格の確認・申請や雇用契約など受け入れ手順を確認しておく必要があります。
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厚生労働省の「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和2年10月末現在)」によれば、日本で就労する外国人の総数は1,724,328人と過去最高を更新しています。
一方で、増加率は4%と前年の13.6%から大きく下落しており、新型コロナウイルス感染拡大の影響が数字として表れています。
また、外国人労働者を雇用する事業所は267,243か所となり、こちらも過去最高となりました。特筆すべきは「30人未満の事業所」が60.4%(161,429か所)を占めており、前年比で11.3%と最も大きな増加率となっています。中小企業が外国人雇用の主たる存在であることが読み取れます。
就労する外国人の内訳については、出入国管理及び難民認定法上、資格や目的などによって以下のようにカテゴライズされています。
定住者や永住者、日本人の配偶者などがここに含まれます。在留中の活動に制限はなく、様々な分野で就業できます。
技能移転による開発途上国への国際協力が目的となっており、技能実習生は就業とともに技能習得を目指します。
違法な時間外労働や労働者の失踪といった問題も取り沙汰されますが、「労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」と技能実習法で定められています。
留学生のアルバイトなどが当てはまり、本来の在留資格の活動を阻害しない範囲での就業が認められています。
専門的・技術的分野による在留資格です。在留資格は「教授」「経営・管理」「介護」など多岐にわたります。
上のカテゴリーに該当しない活動で、経済連携協定に基づく看護師・介護福祉士候補者やアマチュアスポーツ選手、ワーキングホリデーなど様々です。個々の許可の内容により、報酬を受ける活動が許可されます。
参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和2年10月末現在)
まず外国人採用で重要になるのは、在留資格の確認です。一般的に「就労ビザ」と呼ばれますが、在留資格の種類によって就労の可否や従事できる業務などが異なります。
在留資格のなかには活動の条件が全く異なるにも関わらず、混同しがちなものもあります。例えば、在留外国人の配偶者や子どもが該当する「家族滞在」は就労が認められていませんが、「日本人の配偶者等」は制限なく就労が認められています。
また、国外にいる人材を採用する際は、候補者の経歴・学歴などを精査し、自社での就業に際して在留資格を取得できそうか確認する必要があります。
詳細は法務省が発行している在留資格一覧表などを確認しましょう。
参考:在留資格 – 法務省
外国人労働者との雇用契約の締結は、通常の雇用契約よりも気を配りましょう。
日本の採用活動は口頭での確認が中心で、入社前に契約書を結ぶことが一般的です。しかし海外では、しっかりと書面で契約を結ぶことが重要視されます。
近年、日本でも「ジョブ型雇用」が注目を集めましたが、海外ではポジションや日々の業務なども書面で契約を結ぶ文化があります。場合によっては、職務内容を記述した文書(ジョブ・ディスクリプション)の作成を検討してもよいでしょう。
厚生労働省は「外国人労働者向けモデル労働条件通知書」を発行しているので、不安がある場合は活用してみましょう。
外国人労働者の受け入れにおいて、在留資格にまつわる手続きはケースバイケースとなります。3章にて詳述します。
在留資格が取得できるまで、2週間から3ヶ月ほどかかることもあります。
この間に、住居の手配(契約のサポートなど)や日本語のケアを含めた研修体制、「外国人雇用状況の届出」の確認などを進めておくとよいでしょう。
在留資格(ビザ)の申請は外国人労働者の受け入れ手順の一環ではありますが、細分化しているため別立てで解説していきます。
すでに日本にいる外国人を採用する場合、現在の在留資格と自社での職務内容を照らし合わせ、必要に応じて在留資格を変更します。具体的には、以下のような申請・対応が考えられます。
例.前職と異なる職種での採用、留学生の採用
例.在留資格の変更はしないが、期間の更新が必要な場合
海外にいる外国人を国内で採用する場合、「在留資格認定証明書」の交付申請を行います。これは日本で行う職務(活動)を証明する書類であり、外国人労働者が日本へ入国する際に必要となります。
なお、「在留資格認定証明書」の有効期限は3ヶ月なので、交付後は速やかに手続きを行うよう伝達しておきましょう。
外国人労働者の募集は日本人を対象とした採用活動と基本的には同じであり、求人媒体や人材派遣会社を通して採用活動を行います。
その際、外国人労働者に特化したサービスを選択肢に加えることが考えられますが、無料求人サイトと自社採用サイトの組み合わせでもアプローチは可能です。
とくにIndeedは世界60カ国・28の言語で展開しており、外国人労働者へのアプローチに強みがあります。ただしIndeedは企業情報や募集要項などの情報を十分に掲載できため、自社のホームページに誘導して詳細を確認してもらう必要があります。
その際、採用特化のサイトを用意しておくことで、自社についてより深く知ってもらえるというわけです。対応言語など増やし、写真などで視覚的に伝わりやすいサイトにすれば、他社との採用競争でも大きなアドバンテージとなるでしょう。