コロナの拡大によって働き方が変わり、同時に採用の動向や手法についてもシフトチェンジの時期を迎えています。社会的ピンチの状況ですが、採用の考え方によってはチャンスでもある状況です。これからの動向を早期に考察し、今後の採用を有利に進めていきましょう。
目次
まずは、現時点で他の企業はどのような採用計画を考えているのかについて確認しておきましょう。そして、今後予測できる状況についても整理していきます。
大手人材系企業の調べでは、2021年卒の新卒採用について約8割の企業が”コロナ前の採用計画数を変更しない”と答えています。しかし、合同説明会などは軒並み中止となっており、新たな採用手法を各社模索している状況です。一部では中途市場を含め、求人媒体などを活用したスカウト採用を行うことで、自社とのマッチ度を高める工夫もみられています。
識者の見立てでは、コロナ自粛の影響はリーマンショックの数倍とも言われ、今冬に第2波が到来する可能性もあると言われています。そのため、社会全体の採用活動は控え目になる傾向にあり、市場は買い手主導へと変化していく見立てです。リーマンショック後の採用水準の回復には約4年を必要としたというデータもあり、企業として採用手法を含めた方針の見直しが必要な時期に差し掛かっています。
働き方の変化に伴って、採用手法や人材の価値観はどのようになっていくのでしょうか。ここでは、採用が変わる大きなポイントについて整理していきます。
採用活動において最も顕著な変更点は「WEB面接の活用」です。政府から提言されている「新しい生活様式」により、WEB面接を導入する企業が増えてきています。企業・求職者双方にとって、時間やコスト面でのメリットもあることから、職種や業種によってはWEB面接が主流となる傾向です。まずは自社事業との相性を確認することが大切です。
緊急事態宣言後、大手を中心とした企業はリモートワークを活用しています。大手の場合は、5月以降も出社を20%から50%に抑え、その他を在宅勤務としている状況です。中小企業については、リモートワーク導入の企業も増えてきており、組織としてのメリットも見出されてきています。働き方の変化に伴って、今後はリモートワークでも活躍できる人材の価値が高まると考えられます。
最後に、コロナで変わりつつある社会の状況を踏まえ、採用担当として考えておきたいことを整理していきます。
まずは、働き方や社会の変化に伴って自社の経営戦略は今後どうなるのか、組織としての方針を確認しておく必要があります。企業によっては大きく戦略を見直しや、事業の改廃なども行なわれているようです。採用の基盤となる事業戦略をまずは把握してきましょう。
事業方針の確認後は、戦略に必要な人材確保が必要です。そのなかで注意する必要があることは、働き方が変わる可能性があること。例えば営業職においても、リモート商談が中心となる場合は、対面で活躍する人材とは特性が異なる場合もあります。今までの評価基準を必要があれば見直し、新たな観点で採用を行うことこそが効率的な採用に繋がります。
組織に必要な人材と新たな評価基準を設定できたら、次は採用の手法を考えていきます。組織に必要な人材を採用できる手法であるか、コストは適正であるか、今までの採用手法についても振り返りを行い、必要があれば見直しましょう。余裕があれば、新たな手法に取り組むことも今後の組織における財産になります。
動向を踏まえて早期に採用方針を決めることは、優秀な人材の確保にも繋がります。企業の採用活動が抑えられる時期は競争率が下がり、採用の確度が上がるのです。コロナの影響をチャンスに変える、前向きな採用活動を行ないましょう。