中小の建設会社は人手不足に悩んでいます。「高い費用を掛けて広告を打っているのに人が集まらない」「採用通知を出しても辞退される」などの悩みを抱えています。今回は中小の建設会社が人手不足を解消するための成功事例を紹介します。
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令和3年4月度の建設業の有効求人倍率は4.65倍です。平均の有効求人倍率は1.09倍なので、建設業の人手不足は深刻と言えます。
有効求人倍率は、求職者1名につき何社分の求人があるのかを示す経済指標です。有効求人倍率は、ハローワークの有効求職者数と有効求人数を元に計算されています。つまり、建設業の有効求人倍率が4.65倍というのは、求職者1名に4社以上の求人があることを示します。人材の取り合いになっているのがよく分かりますね。
建設業といっても全ての建設会社が人手不足に悩んでいるわけではありません。知名度がある大企業は母集団形成に苦労しません。一方で中小の建設会社は応募を集めるのが大変であり、内定を出しても辞退されることがあります。そもそも採用担当者の数も限られているので、人手不足に陥りやすいのです。
中小の建設会社が中途採用で実践していることを押さえます。その後、実践の流れに絡めて成功事例を紹介します。
中途採用を始めたいと思っても、闇雲に活動するのは効果を生みません。まずは採用計画を立案することが採用活動のスタートです。採用計画では、以下の項目を押さえます。
採用手法を選定する中で、広告や人材エージェントを活用することも視野に入ってくるでしょう。採用コスト・採用人数・求める人材像などと併せて、どういう採用手法を選ぶか決めていきます。
広告や人材エージェントは、費用の掛け方に違いがあります。広告を出稿すると必ず費用が発生します。一方で人材エージェントの多くは成功報酬なので、採用が決まるまで費用は掛かりません。また、広告は、何人採用しても費用が変わらないのですが、人材エージェントの場合は1人採用するごとに費用が発生します。
つまり、広く求職者を採用したい時は広告が向いていますが、採用難易度が高い求職者を採用するのには、人材エージェントを活用する場面が多いということです。
中途採用の場合、書類選考、筆記試験、面接の流れで選考プロセスが進みます。筆記試験がない企業や、筆記試験があっても参考程度の企業があります。そもそも、中小の建設会社への応募は少なくなる傾向にあるので、中途採用では面接重視になります。面接の回数は1~2回になります。オーナー会社の場合は経営者が面接を1度だけ行い、合格・不合格のジャッジを下すことがあります。
最終面接を終えたら合格か不合格かを決めます。企業が採用するという意思と、求職者が入社したいという意思が合えば内定となります。しかし、内定になったからといって、求職者が必ず自社に入社してくれるわけではありません。求職者は多くの企業の選考を受けています。自社に入社してくれるよう、しっかりと内定フォローを行うことが大切です。
中小の建設会社が中途採用で実践していることを確認しました。実践の流れに絡めて、成功事例を紹介していきます。
広告や人材エージェントに頼り切りでは、中小の建設会社の人手不足は解消しません。いくら目立つ広告を打ったところで、求職者が応募してくれるでしょうか?人材エージェントも同様です。人材エージェントに頼って、見栄えが良い求人票を作成しても、求職者の応募が見込めるとは限らないのです。
広告や人材エージェントの求人票を見た時、求職者が取る行動はインターネットで「検索する」というものです。すなわち「どういう会社か?」「自分に合っている会社か?」「職場の雰囲気は?」「働きやすい会社か?」などを調べるのです。そこで満足のいく情報が得られなければ、応募は見込めません。
そこで採用サイトを活用し、求職者の「検索する」に耐え得る情報を掲載します。広告や人材エージェントの情報は、いつかなくなってしまいます。しかし採用サイトは永続的に情報を発信することが可能です。採用サイトはホームページから独立したコンテンツなので、採用に特化した情報を載せられます。最近では手軽に採用サイトを作れるクラウドサービスがあります。
選考の結果、合格した求職者に入社して欲しい時、中小の建設会社はどのように伝えていますか?いち早く採用決定を伝えているのに、内定辞退されていませんか?
採用決定通知のスピード感は大事です。しかし、競合他社も迅速に採用決定通知を出してきたら、どうでしょうか?同じ土俵で戦わず、他社よりも一歩先んじたアクションが必要です。採用決定と同時に求職者の入社意欲を高めるのが人手不足解消の技です。
採用通知書を送る際に採用決定の決め手を具体的に伝えると、求職者は「丁寧に選考された」「自分の良いところを鋭く見てくれた」「前職での成果を的確に評価してくれた」と考えます。すると入社意欲が高まり、「働いてみたい」と考えるようになってくれるのです。
採用決定の決め手を具体的に伝えるには、面接の中でしっかり相手を観察するスキルが必要です。面接担当者が求職者の強み、弱みを分析し、成果や行動が入社してからも再現できるように観察する力量が高めていきましょう。
中小の建設会社が人手不足を解消するための成功事例を紹介しました。有効求人倍率が高止まりする中で、中小の建設会社は人材を有効に採用していく必要があります。まずは中途採用で実践していることを洗い出し、自社の実情を当てはめていきましょう。その上で、成功事例を参考に具体的に実践していくと良いです。