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中小建設業は施工管理者の採用が難しい?効果的な採用・人材定着方法を解説

人手不足が続く中小建設業において、「施工管理者の採用の難しさ」は、解決すべき喫緊の課題となっています。もし施工管理者を確保できないと、受注を拡大できませんし、そもそも工事を受注できなくなります。この記事では、中小建設業が施工管理者を採用できない理由、採用方法、人材定着方法について解説します。

施工管理者の採用が難しい理由

中小建設業の人事担当者から聞かれる声として「未経験歓迎でも人が集まらない」「高待遇の求人なのに採用できない」が挙げられます。なぜ施工管理者を採用するのが難しいのでしょうか?中小建設業にとって、施工管理者の採用が難しい理由について確認します。

建設業の有効求人倍率が高い

有効求人倍率とは、求人1人当たりに対してどれくらいの求人があるかを示したものです。有効求人倍率が1を超えると、求職者よりも求人の方が多いので売り手市場です。売り手市場では労働者が有利です。

逆に有効求人倍率が1を下回ると、求人よりも求職者の方が多いと言えるので買い手市場となります。買い手市場では企業が有利です。なお有効求人倍率は「ハローワークに登録されている求人と求職者数」から算出されており、民間の転職サイトの数値は反映されていません。

それでは、建設業の有効求人倍率はどのくらいの数値かを見ていきましょう。2021年2月度の有効求人倍率は、全国平均で1.09倍でした。一方、建設業(建設・採掘の職業)の有効求人倍率は5.58倍となっています。そもそも、建設業は採用が難しい業界であることが分かりますね。

仕事のやりがいを伝えられていない

施工管理者は工事現場の指揮を執る仕事です。工事が工程通りに進んでいるか、費用はかさんでいないか、品質が確保されているかなどについて、施工管理者は責任を持ちます。工事がある日中は現場にいますから、肉体的にはハードな仕事です。

一方で施工管理者の職務は、地図に残る仕事でもあります。また、経験を積み現場所長ともなれば、現場全体に責任を有し、営業と共に顧客を訪問したりするなどやりがいのある仕事となります。ちなみに中小建設業は、大手企業よりも早い段階で現場所長に就任する機会があります。

建設業に対しては「3K」「仕事がきつい」「仕事を休めない」などのネガティブなイメージがあります。特に中小建設業は人手がないので、仕事がきつく休みにくくなりがち。施工管理者の仕事のやりがいが今一つ求職者に伝わっていないと、施工管理者の採用は難しくなるのです。

自社の魅力を伝えられていない

施工管理者のやりがいと共に、自社の魅力を伝えられていないことも採用を難しくしています。前述のように求職者は建設業にネガティブなイメージを持っています。大手企業であれば、建設業であっても人材を確保できるかもしれません。しかし中小建設業はそもそも求職者に知られていないので、相手に魅力を提供できないと求職者に選んでもらえないのです。

求人票に「未経験者歓迎」「高待遇」を謳っても、施工管理者の採用が難しい一番の理由が魅力を伝えられていないことなのです。求人票を繕うだけでは、求職者に応募を促し、内定を受諾してもらうことができないからです。

求職者は、転職活動の際に企業情報をインターネットで検索します。ホームページ、メディア掲載情報、経営者の発言など、企業情報を取得して応募するのです。そこで自社の魅力を伝えられなければ、人を採用することができなくなります。

施工管理者の採用が難しいとどうなるか

施工管理者の採用が難しいということは、中小建設業にどのような影響を及ぼすでしょうか?建設業の離職率と共に確認していきます。

中小建設業は離職率が高い

中小建設業は採用が難しいだけでなく、離職率が高くなっています。厚生労働省の新規学卒就職者の離職状況データ(2019年10月21日)によると、就職後3年以内の離職率は大卒が27.8%、高卒が45.3%です。全産業平均では大卒が32.0%、高卒が39.2%でした。高卒においては、全産業平均よりも建設業の方が離職率が高いことが分かりますね。

データから分かるのは、大卒を採用できる大手建設業にとっては、人事制度や福利厚生が整備され、求職者にとってもイメージが良いため、人材が辞めないということ。高卒を採用する中小建設業は離職率が高いということです。

人手不足が進む

中小建設業では離職率が高く、採用が難しいです。施工管理者を確保できないと、受注を拡大できませんし、そもそも工事を受注できなくなります。離職者が出たとしても、人材を補充できれば良いのですが、中小建設業では施工管理者の採用も難しいです。ですから、中小建設業においてはますます人手不足が進んでしまう結果になります。

施工管理者の効果的な採用、人材定着方法

中小建設業が施工管理者の採用をうまく進めるには、効果的な採用方法を実践する必要があります。また、採用後に離職されないように人材定着を進めていくことも大切です。

制度を見直す

人事制度を見直し、求職者が応募してくれるような労働環境を確保しましょう。施工管理者は休日出勤が多い仕事です。土曜日でも工事を休まない現場が多いですし、国民の休日に工事があることも。「営業や事務は休んでいるのに私たちは休日出勤か」と不満を抱かれないよう、休日手当を厚くします。

あるいは、振休や代休を取得しやすい雰囲気にすることで、休日出勤への慰労となる制度を整えます。人事評価制度では仕事に貢献した人材を評価できるような、公平な制度にすることで求職者からの応募を期待することができます。

制度の見直しは採用だけでなく、人材定着にも繋がります。労働環境が改善されれば会社への愛着が湧いてくるので、会社に留まりたいと思うでしょう。

職場コミュニケーションを円滑にする

職場コミュニケーションを円滑にすることで、求職者の応募、内定受諾を高めることができます。職場コミュニケーションが円滑化すれば、社長や面接官、採用担当者などの雰囲気が変わります。職場コミュニケーションが悪ければ、いくら演じても求職者には伝わりません。組織開発や1on1などを通じて、自社の職場コミュニケーションを円滑化していきましょう。

また、職場コミュニケーションの円滑化は人材定着にも奏功します。リスクがあることでも話せたり提案できたりする組織風土は、心理的安全性が担保された組織です。心理的安全性が担保されていれば、1人で悩み、苦しむことなく上司や同僚と会話することが可能に。人事制度の整備と併せて、職場コミュニケーションを円滑化していきましょう。

自社の魅力・仕事のやりがいを発信する

施工管理者の採用が難しい理由には、「仕事のやりがいを伝えられていない」「自社の魅力を伝えられていない」がありました。人事制度の整備、職場コミュニケーションの円滑化、そして施工管理者の仕事のやりがいについてホームページで発信して下さい。

求職者はホームページを検索します。「小さいけどしっかりした会社だな」「和気あいあいとしていて居心地が良さそう」と感じてもらえれば、応募や内定承諾に繋がります。

まとめ

中小建設業は人手不足が続いています。制度の見直し、職場コミュニケーションの円滑化を通じて、施工管理者の採用と人材定着を目指しましょう。

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