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コンプライアンスとは 違反事例と強化のポイントを解説

2021.11.15

コンプライアンスは「法令遵守」の意味だけでなく、「倫理や社会規範、マナーを犯さずに経営を進めること」と解釈されます。その内容は多岐にわたり、経営層だけでなく全従業員が違反のリスクや対応方法を理解する必要があります。違反事例や強化のポイントについて解説します。

コンプライアンスとは

コンプライアンス(compliance)を直訳すると「法令遵守」となります。ただ、現在のビジネス界ではこの言葉以上の意味を持ち、「法律のみならず、倫理や社会規範、マナーを犯さずに経営を進めること」といった意味で解釈されます。
つまり、「法律に違反していなければ良い」という考え方は、コンプライアンス違反と見なされるわけです。
具体的にコンプライアンスは、以下のような範囲を包括しています。

法令遵守

法令遵守という本来の意味は失われていません。法律や条例など、行政が定めるルールを守ることが前提となります。

社内規範

社内規範は、就業規則をはじめとした、社内で定めた守るべきルールです。コンプライアンスというと経営層以上の大きな問題と捉えられがちですが、従業員が遵守すべきものも包括されているため、全社的な理解が求められます。

社会規範

社会規範が昨今のコンプライアンスの根幹を為すもので、ここで含む範囲は多岐にわたります。例えば、市場における倫理や業界の慣習、個人(消費者)の道徳観などが挙げられます。近年ではSNSにおける炎上なども、コンプライアンスと密接に関わった問題といえるでしょう。

コンプライアンス違反の具体例

ここでは、多岐にわたるコンプライアンス違反のなかから5つの具体例を取り上げます。なお、ここで挙げる問題以外にも様々なコンプライアンス違反がありますので、自社の事業に密接に関わるものから理解を深めるとよいでしょう。

労働(職場)環境にかかわる問題

労働(職場)環境にかかわる問題として、ハラスメントや長時間労働による過労死、賃金の未払いなどが挙げられます。社会的な影響も大きく、「ブラック企業」として衆目に晒される問題です。

製品・製造に関する問題

製品・製造に関する問題として代表的なのは、衛生管理の不備や欠陥のある製品の提供でしょう。食品偽造などは、特に消費者の目も厳しくなっています。
また、製品の製造過程で起こる環境汚染などは、「公害」として根深く残る社会問題となります。

会計に関する問題

会計に関する問題は、粉飾決算や横領、インサイダー取引など、経営に近しい人間によって行われることが多い問題といえるでしょう。刑法によって裁かれることもある、重大なコンプライアンス違反です。

情報に関する問題

情報に関する問題は、個人情報の流出や機密情報の漏洩など、比較的新しいコンプライアンスの概念といえます。企業にとっては、いつどこで発生してもおかしくない問題であり、日頃からセキュリティーの強化などが求められます。

知的財産にまつわる問題

知的財産にまつわる問題は、特許や著作権の侵害などが挙げられます。以前は一部の業界で気を配るべき問題でしたが、インターネットの普及によって無断転載などが一般化し、日常の業務でも密接に関わる問題となりました。

コンプライアンス強化のポイントと流れ

コンプライアンス強化の基本となるのは、コーポレートガバナンス(社内統治)の確立です。「法令やルールを守るための体制作り」の意味合いで用いられ、コンプライアンス対策の根幹となります。ここでは、その具体的な方法と流れを解説していきます。

基本方針を固める

まずは、行動・対応の軸となる基本方針を固めましょう。具体的には、企業理念の整備や対応マニュアルの作成などが挙げられます。
これらは経営層だけで作成・周知するのではなく、全従業員が理解できるよう整備する必要があります。
また、前述のとおりコンプライアンスの概念は多岐にわたるため、自社がとくに注意しなければならない領域から対応を明確にしていくとよいでしょう。

社内周知と研修の実施

基本方針が固まったら、従業員への周知を行います。コンプライアンスは情報漏洩やハラスメントなど、すべての従業員に関係する事柄だからです。
また、コンプライアンスにまつわる研修も実施し、内容や違反によるリスクについて、全社的な理解を得られるように教育を進めましょう。

コンプライアンス違反に遭遇した際の対応

基本方針と社内周知にも含まれることですが、従業員がコンプライアンス違反に遭遇した際の対応についても明確にしておく必要があります。最も良くないのが「みんなやっていることだから」と見過ごしてしまい、社内でコンプライアンスに対する意識が低下していくことです。

まず欠かせないのが、内部通報窓口の周知です。これは公益通報者保護法に基づくものであり、条件を満たすと必要な調査が実施されます。通報をした労働者の解雇等も法律により禁止されており、安心して利用できる制度です。

参考:消費者庁 公益通報者保護制度

本来は上下関係を問わずに問題を指摘できる環境が理想ですが、そう上手くいくことではありません。

現実的には、代替案を提案して未然にコンプライアンス違反を防ぎ、改善が見られない場合は社内の人事部や法務部などに相談。最後の手段として、内部通報窓口の利用といった道筋を整備しておくとよいでしょう。

調査・処分について

コンプライアンス違反が発生した場合に備えて、中立の立場で調査できる第三者を擁立しておく必要があります。外部の弁護士などの有識者が理想的でしょう。
コンプライアンス違反に対する責任の所在が明確になった際は、役職などに問わず公正な処分を実施する必要があります。曖昧な対応は従業員の不信感につながり、さらなるコンプライアンス違反や離職率の増加などの問題を引き起こすからです。

まとめ

コンプライアンス違反は最悪の場合、倒産にまでつながる恐ろしい問題です。実際に毎年200社前後がコンプライアンス違反によって倒産しています。

参考:帝国データバンク コンプライアンス違反企業の倒産動向調査(2020年度)

また、インターネットの普及によって、企業の不正はいつまでもネット上に残り、誰にでも簡単に調べられるようになりました。これは採用活動を行ううえでは致命的な問題となります。
コンプライアンスへの対応は、企業がこの先も生き残るための前提条件といえるかもしれません。

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