人手不足が深刻な建設業においては、男性だけでは限界で女性を採用していく必要があります。肉体労働のイメージがあり、休みにくい建設業で、女性を採用する方法にはどのようなものがあるでしょうか?建設業で女性が活躍できる仕事と併せて解説します。
目次
肉体労働のイメージがある建設業。建設業で女性が活躍できる仕事を4つ、紹介します。
建築士は建築物の設計を行う仕事です。デスクワークだけでなく、工事現場に赴いて設計図通りに工事が進んでいるか確認することも、建築士の役割です。施主の予算・建築物への要望を聞いて設計図を書きます。設計図を書くというと洗練されたイメージを持つかもしれませんが、デザイン性が高いだけでは建築士の仕事は不十分です。設計では建築物の安全面、耐久性などを考慮する必要があります。
なお建築士が設計図を書くには施主の要望をよく聞いて行う必要があり、対人コミュニケーション力が問われます。建築士になるには二級建築士、一級建築士などの国家資格を持たなくてはなりません。
積算とは、建築物を建てるのに必要な建築費用を計算する仕事です。設計図、仕様書から材料費、人件費などを算出し、必要な建築費用を計算します。建築士や施工管理者と異なり、建築現場に赴くシーンはほとんどありません。
積算には民間資格はあるものの必須ではありません。建築の工程や材料価格などをよく理解し、かつ、数字を正しく算出することができれば、積算の仕事に適性があると言えます。
施工管理者は、工事が円滑に進むよう、工程管理、安全管理、品質管理、原価管理を行う仕事です。現場監督とも呼ばれます。現場監督が管理することのイメージは次の通りです。
施工管理者は重いモノを持つわけではないので、筋力に自信がない女性でも十分にこなせます。施工管理者は、日中は建築現場にいることが多いです。現場での経験に留まらず、建設業に関する幅広い知識を必要とします。
インテリアデザイナーは建築物の内装を企画・設計する仕事です。資格もありますが必須ではなく、経験やセンスがモノを言う仕事です。インテリアデザイナーには対人コミュニケーション力、プレゼンテーション力が問われます。家具・カーテン・照明などについて、顧客の要望に応じて企画・設計していきます。
インテリアデザイナーの活躍の場は個人宅に限りません。商店、ホテル、学校など様々な場所で内装の企画・設計が求められます。顧客の要望に応じ、室内空間を演出する仕事、それがインテリアデザイナーの役割です。
建設業で女性が活躍できる仕事を紹介しました。それでは、建設業で女性を採用する方法について確認します。今回ご紹介する採用方法については、求人票や採用サイトなどでアピールして頂くことで、女性の応募を集めやすくなります。
男性中心の労働環境では女性を採用することは難しいです。女性が安心して働ける環境を会社が整備することが大切です。労働環境には、職場環境と制度環境の両方があります。まず、職場環境としては以下が挙げられます。
施工管理者は、プレハブの事務所で事務仕事を行い、着替えや食事、トイレなども済ませます。トイレや更衣室が男女共用だと女性が嫌がりますよね。女性が働きやすいようにトイレや更衣室を男女で分けることは、女性採用で重要なポイントなのです。
続いて、女性が働きやすい制度環境としては以下が挙げられます。
デスクワークができる職種について、柔軟な働き方ができると女性の応募が集まりやすくなります。育児をしている女性にとって、柔軟な働き方ができない職場は魅力的に映りません。時短や在宅勤務を制度化し、かつ、制度を利用しやすい職場風土にすることで、女性を採用することができます。
キャリアコースを選べることも、女性の応募を促進することに繋がります。例えば、施工管理者を務める、若い女性従業員がいるとしますね。彼女が結婚し子どもを生むと、施工管理者を続けることが本人の希望でなくなることもあり得ます。そのとき、施工管理者以外に積算や設計の仕事、あるいは管理部門の仕事などにキャリアを移せる人事制度があればどうでしょうか?女性の応募者は「長く働けそうな会社」だと思いますよね。
このように、女性の立場に立って、女性が働きやすい労働環境を整えると、女性の応募者に「気になる」「エントリーしてみたい」「働いてみたい」と思ってもらうことができるのです。
女性を採用する方法には、女性に合ったキャリアプランを提供することもポイントです。女性が多い職場と違い、建設業は女性従業員が少ないです。ですから、女性にとって目指すべきキャリアプランが見えにくいので、「建設業で働くのは大変かな」と不安がらせてしまうのですね。もし女性の先輩が自社にいれば、採用サイトを使って女性の先輩が活躍している姿を提供しましょう。
女性の先輩がいない場合、キャリアプラン研修を受講できるようにします。20代、30代、40代とライフステージが変わるにつれて、女性がどのようにキャリアプランを形成するのか。具体的な指針を研修で学ぶことで、「建設業ではこんな風に活躍できるんだ」と思ってもらえるのです。また、管理職への道も開かれていることも、研修では女性に伝えます。研修についても、採用サイトを使い積極的にアピールしましょう。
建設業が女性を採用するには、女性が働ける職場環境や制度環境、そしてキャリアプランの提供が必要です。自社内でしっかりと環境や研修を準備します。女性の応募者は「建設業で働けるかな」と不安に思っています。不安を払拭できるよう採用サイトでアピールしましょう。